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プラスチックの性質について
エンジニアリング樹脂 ENGINEERING RESINS
エンジニアリングプラスチックは実験器具の様々な用途で、優れた強度と耐久性を発揮します。用途によってはポリオレフィンよりも優れており、遠心容器、フィルターウエア、Betaシールドなどに用いられています。
■ポリカ-ボネ-ト Polycarbonate(PC)
透明度が高く、非常に強固で丈夫な材質です。無毒性、オートクレーブ可能で、熱可塑性樹脂の中で最も丈夫です。優れた透明度と強度を持つポリカーボネートですが、有機溶剤に対する耐性は高くありません。ポリカーボネートはジヒドロフェノールが炭素を介して結合しており、この結合は高温下(オートクレーブなど)において、塩基または強酸によって化学反応や加水分解を生じます。
強度と寸法安定度の高さは、高速の遠心容器に最適です。分光光度分析で、NALGENE®の安全器具・装置で用いられているポリカーボネートは、波長200~380nmの紫外線を透過させないことがわかっており(200~300nmでは透過率0% 、300~380nmでは0.2%)、クリーンベンチで使用される雑菌灯(254nm)や電気泳動やクロマトグラフィーによる蛍光検出で用いられる波長(350~360nm)も防ぎます。

■ポリサルフォン Polysulfone(PSF)
ポリカーボネートと同様に強度が高く、無毒性で、薄褐色透明です。ポリカーボネートより強酸/塩基下における加水分解に強い性質を持っています。酸、塩基、水溶液、脂肪族炭化水素およびアルコールに耐性があります。3種類の官能基(イソプロピリデン、エーテル、サルフォン)からなるフェニレンで構成されており、それらの官能基がポリサルフォンの耐薬品性、耐熱性または耐衝撃性などの特性を生み出しています。

■ポリエチレンテレフタレ-ト共重合体 Polyehylene Terephthalate G Copolymer(PETG)
他のエンジニアリング樹脂と類似していますが、ガラスと同等の透明度、丈夫さやガス低透過性を兼ね備えているため、生体高分子の保存に適しています。NALGENE®PETGはテストの結果、細胞培養においてタイプ1のホウケイ酸ガラス製ボトルと同等か、またはより優れた培養結果が得られることが示されています。数種類のセルラインを用いてテストし、細胞毒性が無いことも確認されています。また、対照容器のホウケイ酸ボトルとPETGボトルで細胞培養を行った結果、同等かそれ以上のボトル表面での細胞増殖も確認されています。なお、放射線滅菌は可能ですが、オートクレーブにはかけられません。

■ポリフェニレンオキサイド Polyphenylene Oxides (PPO)
高温における寸法安定性に優れ、幅広い温度範囲で使用できます。加水分解反応にも安定性があり、優れた誘電性を示します。さらに以下のような特徴があります。
・-40~148℃の範囲で優れた力学的特性
・自己消火性
・寸法安定性
・吸湿性が低い
・耐衝撃性




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