8.化学的性質
ガラスの化学的耐久性とは化学的耐食性をいいます。ガラスは大気中に放置すると、空気中の水分、炭酸ガスその他によって表面は多少おかされます。耐食性は化学的侵食に対するガラスの抵抗力の度合いで判断しますが、 Na2OおよびK2Oの成分のきわめて少ないIWAKITE-32GLASSは、酸性物質および蒸留水による腐食量が他のガラスに比較して、特に少量です。 IWAKITE-32GLASSの腐食性を重量損失で示すとa)、b)、c)のとおりです。しかしフッ化物を含む燐酸、熱燐酸、フッ化水素酸および熱アルカリのご使用はお薦めできません。フッ化水素酸には、いかなる温度においても腐食されますが、希薄な少量の溶液の場合には顕著な腐食はありません。室温でのアルカリ性水溶液に対する腐食はごくゆるやかですが、温度が40℃以上になると侵食は急に速くなります。アルカリ性水溶液およびフッ化水素酸の水溶液の温度および濃度と侵食速度の関係を[第8図][第9図][第10図][第11図]に示しました。
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a)蒸留水アルカリ溶出量0.06mL (日本薬局方注射剤用ガラス容器試験法(3)アル
カリ溶出試験第1法)
表面重量損失0.001mg/cm2(100℃ 6時間)
b)水蒸気(表面重量損失 mg/cm2)
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c)酸・アルカリ(表面重量損失 mg/cm2)
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