ガラスは常温では事実上無限大の粘度をもっており、温度上昇とともに粘度が小さくなり流動性をもちます。その粘度範囲は非常に広範囲で通常1015~1012ポアズとされ、それぞれの粘度によって、様々な性状を呈し、ガラスの性質を判断する指標となります。
ガラスを急熱あるいは急冷すると破損することがありますが、ガラスが温度の急変、すなわち熱衝撃に耐える力を耐熱性といいます。ガラスの表面層は急冷されると張力を、急熱されると圧縮力を受けます。ガラスの破壊強度は圧縮力に強く張力に弱いので、破損は普通、張力によることが多いのです。これはガラス表面に発生した張力がガラス自体のもつ引っぱり強度を越えるためです。ガラスの内部に発生する張力は(1)式に示したように、線膨張係数が小さいほど小さくなるので耐熱性が大きくなります。すなわち線膨張係数の小さいIWAKITE-32 GLASSは熱に強いのです。しかしガラスの耐熱性は形状・仕上げなどの条件によって大きく影響されます。[第2図]に各種ガラスの150mm×150mm角の3種類の厚さについて線膨張係数と耐熱衝撃温度差の関係を示しました。
しかしご自身でガラス器具の設計をする場合に破壊応力としてどの値をとるかは、その製品が長時間使用を目的とするか、短時間使用を目的とするか、圧力、履歴、温度およびその他の条件を考えて決定すべきです。ただし履歴をその都度詳細に知ることは不可能なので、万全の策として最悪条件の最小値を基準として安全率を何倍か見込んで設計することをお薦めします。強化処理を施したガラスの破壊強度は、徐冷ガラスの場合の3倍とるのが普通です。IWAKITE-32GLASSは硬度が大きく、表面に傷がつきにくいので他のガラスより強いといえます。[第4表]に機械的強さを示しました。