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IWAKI TE-32の特性

1.ガラス組成
[第1表]にその組成を示すように主成分であるSiO2が非常に多く、しかもB2O3の含有量は多いがNa2OおよびK2Oの含有量は少ないので線膨張係数が非常に小さく、特に耐熱衝撃性にすぐれています。また耐摩耗性や、引っかき硬度および押し込み硬度も大きくなります。なお優れた熔融技術により泡切剤を添加しないのでガス加工しても発泡したり、着色しない特長があります。
一部品種には国内外の協力会社で生産しているものがございます。それらは「IWAKITE-32GLASS」と同等の特性を持つガラス(JIS R3503-1994 または ISO3585の規格に準拠)ですが、「IWAKITE-32 GLASS」との区別のため、「IWAKITE-33GLASS」と表示させて頂く場合があります。
●第1表 IWAKI TE-32 GLASS

注:上記数値は、測定値の代表例です。


2.粘性

ガラスは常温では事実上無限大の粘度をもっており、温度上昇とともに粘度が小さくなり流動性をもちます。その粘度範囲は非常に広範囲で通常1015~1012ポアズとされ、それぞれの粘度によって、様々な性状を呈し、ガラスの性質を判断する指標となります。


●第2表 IWAKI TE-32 GLASSの粘度

●[第1図]


3.物理的性質
[第3表]に諸特性を示しますが、SiO2が多くNa2OおよびK2Oが少ないため、線膨張係数がきわめて小さいことが注目されます。金属およびソーダ石灰ガラスに比較して密度が小さいのも特徴です。
●第3表 IWAKI TE-32 GLASSの物理的性質


4.耐熱衝撃

ガラスを急熱あるいは急冷すると破損することがありますが、ガラスが温度の急変、すなわち熱衝撃に耐える力を耐熱性といいます。ガラスの表面層は急冷されると張力を、急熱されると圧縮力を受けます。ガラスの破壊強度は圧縮力に強く張力に弱いので、破損は普通、張力によることが多いのです。これはガラス表面に発生した張力がガラス自体のもつ引っぱり強度を越えるためです。ガラスの内部に発生する張力は(1)式に示したように、線膨張係数が小さいほど小さくなるので耐熱性が大きくなります。すなわち線膨張係数の小さいIWAKITE-32 GLASSは熱に強いのです。しかしガラスの耐熱性は形状・仕上げなどの条件によって大きく影響されます。
[第2図]に各種ガラスの150mm×150mm角の3種類の厚さについて線膨張係数と耐熱衝撃温度差の関係を示しました。

●[第2図] 線膨張係数と耐熱衝撃温度差



5.機械的性質
ガラスが破壊するときは、張力の最大の点から破壊します。ガラスの理論的な強度は非常に大きく200,000kg/cm2といわれています。しかし実際にはこの1/400にすぎません。これはガラスの表面に存在する非常に細かい傷が張力を受けるたびにどんどん大きくなってついに破壊するからです。この表面の傷はガラスを成形するとき、加工するとき、または運搬その他の取り扱いの途中において生ずるものと考えられます。すなわち製品が、
(a)どのような製法で作られたか
(b)どのような加工が施されたか
(c)どのような熱処理が行われたか
(d)製品になってどのような扱いを受けたか
(e)現在どのような使い方をされているか
といったことに関係します。

しかしご自身でガラス器具の設計をする場合に破壊応力としてどの値をとるかは、その製品が長時間使用を目的とするか、短時間使用を目的とするか、圧力、履歴、温度およびその他の条件を考えて決定すべきです。ただし履歴をその都度詳細に知ることは不可能なので、万全の策として最悪条件の最小値を基準として安全率を何倍か見込んで設計することをお薦めします。強化処理を施したガラスの破壊強度は、徐冷ガラスの場合の3倍とるのが普通です。
IWAKITE-32GLASSは硬度が大きく、表面に傷がつきにくいので他のガラスより強いといえます。
[第4表]に機械的強さを示しました。

●第4表 IWAKI TE-32 GLASSの機械的性質



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