ガラス器具の洗浄剤は、洗浄剤成分としてクロム酸、硫酸混液の使用が困難になったため、付着したタンパクなどの有機物を除去できるようにpHを高くした品種(強アルカリ)も数多く市販されいてます。ガラスは一般的に酸に強くアルカリに弱い性質を示すために市販の洗浄剤の中にはガラス表面を白濁させたり白色マークを脱落させてしまうものもあります。弊社で試験した結果、ガラスの洗浄に適した洗剤の例を下に記します。
1.IWAKITE-32製品に適した洗浄剤の一例(白濁などが発生しにくい洗浄剤)
(1)スキャット20X-N(第一クリーンケミカル)
(2)エキストランMA02(メルク・ジャパン)
AP21、22(メルク・ジャパン)
(3)CLEAN99-L100(クリーンケミカル)
CLEAN99-NL(クリーンケミカル)
(4)コンタミノン(和光純薬)
2.pH値と白濁との関係
(1)洗浄剤のpH値は範囲が広く、品種によりpH2~12.5となっています。
(2)pH7以下の品種は白濁の発生はありません。
(3)約50℃で洗浄した場合、pH10~12.5の品種の一部に白濁の発生があり、pH10以下の品種に白濁の発生はありません。
(4)煮沸洗浄した場合、pH8以上のほとんどの品種は白濁を発生します。
3.洗浄時に留意して頂きたい事項
(1)IWAKITE-32製品の表面を白濁させないためには、洗浄液の温度をできるだけ、洗剤メーカーが指定した温度(一般には50℃前後)で使用して下さい。
(2)ガラス製品の使用後、オートクレーブなどで滅菌してから洗浄する場合、汚れが固着し洗浄能率が低下することがあります。そこで洗浄を早めるため加温などが行われておりますが、これはガラス表面の白濁を早める原因となります。洗浄剤の多くはアルカリ性を示し、ガラスは高温のアルカリに弱いためです。
4.IWAKITE-32製品の簡便洗浄剤について
(1)一般の簡便洗浄剤として中性洗剤が使われておりますが、脂肪類の洗浄能力からみれば「洗濯ソーダ(Na2CO3・10H2O)」が適しております。
(2)ガラス器具の洗浄に研磨剤入りスポンジ・金属たわし・クレンザーを使うことは、ガラス表面にキズをつけることになり、器具の寿命を短くしますので、お薦めできません。